fc2ブログ
波板ガラス

揺らめいて融けるうちそと波ガラス
(光が屈曲して複雑な風景を映し出す波板ガラス。眩惑のエントランス)
2015.01.21 / Top↑
 国立教育政策研究所が主催する講演会「地域の核となる学校づくり -日本とスイスの学校建築」を文部科学省で聴いた。

 スイスにおいては、競争力を身につけることよりも、地域の後継者を育てようという地に着いた教育観を強く印象づけられた。
 スイスは九州ほどの広さの国土に800万人の人口。ナショナルカリキュラムではなくローカルカリキュラム。PISAもトップレベル。人口1万人あたりの学校数は、スイス8校に対して、日本は2.8校。いかに小規模校かがわかる。廃校の下限は原則7名。手仕事を重視した教育学者ペスタロッチのDNAが底流にあるのか、体験型教育が継承されている。


 「スイスの学校建築計画」(ウルス・マウラー氏:教育施設プランナー)
言語としての建築、発達の場としての教室、スイスの学校建築のロールモデルの3部構成。1部ではまずは、音声論、構文論、意味論で学校を読み解いた。2部ではジャン・ゲブザーを引き合いにして、原始、呪術、神話、合理、統合という意識の変化と空間の関係を説明。3部では、学校建築の象徴性と実用性を解説した。そして就学前は「安全地帯」、小学校は「理想郷」、中学校は「市民社会」という枠組みを示した。

 「地域の建築」(ジョン・カミナダ氏:スイス連邦工科大学教授)
自身の居住地である小さな山村フリンを事例に、人々が地域との関係性を再構築する必要を説いた。農業の変遷により人口減少が続く中、畜舎、製材所、霊安室などを地元の材料を用いて、地元職人の手によって再構築される様子を解説した。大学教育では講義室での講義ではなく、現場の課題を体験的に解決するプログラムを重視している。

スイス学校パンフレット

パネラー
2015.01.21 / Top↑
 東京オペラシティで開かれているスイスデザイン展。午後からの講演会「スイスの学校建築」のプロローグのつもりで出かけた。
 伝統工芸と最新技術を合わせて、手仕事的雰囲気をぷんぷん漂わせるデザイン群にしばしうっとり。
 鉄道や飛行機、時計にナイフに靴、家具にファブリックに照明、それとフライターグのようなリサイクル品は、いずれも実用的で機能的。デザインが気持ちを豊かにしてくれることが実感できる。
十字
モジュロール
スウォッチ
ネフ
ナイフ
2015.01.21 / Top↑
 東京都庭園美術館は、昭和8年に建てられた朝香宮邸を美術館としている。宮内省の建築家権藤要吉と、フランス人の装飾美術家アンリラパンが手がけ、アール・デコ建築として内装だけでなく、家具や照明、カーペット等が全体的にデザインされている。
 最近、そのアール・デコにホワイトキューブのギャラリーのある新館(久米設計)が竣工したばかり。庭園は整備中で、全面公開は春以降らしい。
 この環境を創ったのは人であり、その環境で活躍した人たちがいる。時間をつくって出かけた甲斐があった。和洋の要素を含めて、見所満載で頭がクラクラしてくるほど。

朝香邸正面

新館

新館内部
2015.01.21 / Top↑